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Top Novelindex Index Next /////////////////////////////////////////////////////////////////////////// みなさんにとって怖いものって何ですか? 私は………。 ―『プロローグ』― 「好きですっ!!」 ある9月の晴れた昼食時、私こと大久保晶は、私が通っている中学校の校舎裏に呼び出され、見知らぬ男の人に告白を受けていた。 「もしよろしければ、付き合ってもらえないですか?」 返答しないでいると、待ちかねのだろう。彼はそのまま続けてきた。 (はぁー) こういうのって煩わしい。今月入って何回目やろう。付き合う、付き合わないだの、いちいち答えるのめんどくさい。そもそも、好き同士でないのに付き合っても仕方ないとは思わないのか?むなしいだけやんか。 よしっ!このまま長引くの嫌やし、それにお昼ご飯食べる時間短かなるんも嫌やから、早々に切り上げようっ。 「あなたとは付き合えません。私、愛だの恋だのに興味はないですからっ」 ふっ。きっぱり言ってやった。これで、もう何にも言えなくなるやろうな。 「そうですか…」 ほらなっ!!うつむいて、だまってしまったわ。私の勝ちやっ。さあて、ご飯ご飯。 っと、その前にこれだけは言うとかな。さっきのだけやったら私、最悪な奴になってしまう。 そう思い、口を開く。 「あの、答えられへんけど、気持ちはありがとうございました」 うんっ、これだけは言うとかな、というより、言っときたい言葉だった。だって、私がひどい振りかたしたせいで、道外れたとかなったら大変な事やし、それに、正直、答えられへんものの、私を好いてくれる気持ちは嬉しいもんね。嬉しいとは告げなかったけど。 そして、それだけ言うと、私は彼に背を向けて、校舎へと……お弁当の元へと帰っていった。 「ごっはんっ♪ごはんーーっ♪」 私のクラス1の3のプレートがある扉を開けて、そう叫びながら窓際一番前の自分の席に向かう。 「あきらっ!!恥ずかしくないの?」 自分の席に着いて、椅子に座る前にちょうど後ろの席に座っている親友、熊谷あゆみこと『あゆ』に話しかけられた。 彼女は中学校入学してからの半年足らずの付き合いなのに、きさくで付き合いやすいせいかすでに親友と呼べるような関係になっている。怒らしたら怖いんだけどね。 「えっと…?何が?」 返答してから、椅子を後ろ向きにして、そこに座り、あゆの机に右手で頬杖をつく。 「ううん。いいわ。これが晶だもんね。でっ!誰から何ていわれたの?」 「んっと、誰だっけ?確か、三年の佐々木先輩?かな。その人に『好きです』って言われた」 「へっ?!佐々木先輩っ!!あのバスケ部キャプテンのっ!!」 すごい驚いた表情をみせる『あゆ』。彼女は表情がころころ変わっていつも可愛いなぁと思う。けど、その顔はまぬけに見えるよ。今度まぬけっていってやろうかな?・・やめとこ。怖いや。 「そう、たぶんその人」 「たぶん…さすが晶だわ。あの有名な佐々木さんから告白されて普通でいる。しかも、うろ覚え。って事はまた断ったの?」 有名?ふ〜んそうなんだ。どうりで自信ありげに告白をね。 「うん」 「もったいないっ。とりあえず付き合えばよかったのに。私だったら絶対付き合ってるよ」 「だめ。私それ出来ない。好きでもないのに付き合うの申し訳ない。それに、私きっと付き合ったとしても好きになれないから…」 「…何で好きになれないの?」 「あのね……好きになるのが怖いから」 「怖い?」 私はこくりと頷く。 「そう、それで今まで告白を断ってたの?」 「うん」 「そっか。それでなんだ。今まで考えなしに付き合いなよっとか言ってごめんね。あとさ、答えづらいのにありがとう」 「ううん、気にしないで。あぁーーっ、ご飯っ。お昼休み、後、10分しかない…マッハで食べるから前向くね」 「うん。早く食べて。でないと、晶、空腹で機嫌悪くなる(クスクスっ)」 「もうっ、ではっ、お言葉に甘えて」 そう言って、直ぐ様、椅子を反転し、お弁当の包みを開いた。 (………わざとらしかったかな?) いつもだったらどんなに残り時間が少なくても、あゆと話しながらお弁当食べるんだもの。あゆ、変に思ってなかったらいいけど…。 でも、どうしてもこれ以上聞かれるわけにはいかなかったの。好きになれない理由の奥にある私の暗闇のことを。 それに……気づかれてもいけない。私はそれを隠して今まで生きてきたんだから。 だから、私にとって今一番怖いこと。 それは、人を愛することと…それに連なることを悟られることなの。 2006/03/31
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