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Top Novelindex Index Back /////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 不安でいっぱいだった私の心、今は安心と言ったら嘘になるけど、不安と言う言葉も今の私にはふさわしくない。 そう、彼の側にいる今は。 ―『protection?』― 先程まで見ていた――お目に入れさせて頂いていた豪華絢爛なお部屋とはうってかわって、生活に必要最低限な物しか置かれていない部屋に私はいた。 「あの…私はここで寝るのですか?」 玄関入りしな四方さんに、あきらさんが『部屋を用意したって欲しいんやけど』と言っていたから、お風呂あがって初めに通してもらった部屋が私の用意される部屋だと思ってたのに、入った所はあきらかにあきらさんの部屋っぽくて、『あれ?』と思い、部屋中央にある無駄にでかい黒いソファにあきらさんと二人並んで座った瞬間、思わずそう尋ねた。 「ちゃう。隣に用意してあるけど。休む前に用があったから俺の部屋に来てもらった。まぁ、あきがこっちで寝たいって言うなら一緒に寝てもかまわへんけど?」 「いいんですかっ!!?」 申し出が嬉しくてつい、彼の方へ向き大きな声で叫んでしまった。 しかし、そんな私のプラスの表情に反面して、そっちを向いた瞬間彼は考え込むように表情をなくした。 大きな声を出したのが悪かったんか、何かおかしなことを言ってしまったのか、彼はずっと無言のまま。 何だか、だんだん何かしてしまったんやろかと、不安になってくる。 「あの…」 「意味分かってるん?」 「意…味?私はただ、誰かと一緒に寝るなんて何年ぶりかって思ったら嬉しくて、それだけですけど…」 さっきからあきらさんはずっと真面目に考え込んだ難しい表情してる。おまけにわけ分からんことを尋ねられて。 どうしたんやろ? 一緒に寝る?と聞いといて、いざ、『はい』となると自分の寝床には人は入れたくないんかも? なんせ私はさっきまで知り合いでも何でもなかったんやもんなぁ。 駄目なんやろか?そう思ってちらっとあきらさんを見るため、目線を上にあげたら目があって。 その瞬間、 「………分かった。一緒に寝よか」 と彼は言った。 それを聞いた私は、何も考える前に――無意識に首を縦にぶんぶん振っていた。 一緒に寝れることになったのが、ただ単純に嬉しかったから。 寝る所が決まったとこで、心は少し落ち着いて、ここに来てからずっと聞きたかった――尋ねたかったことを勇気を出して言葉にした。 「そういえば用ってなんですか?――家出の理由のことですか?」 「そうや、けど少し違うな」 「違う?」 「家出の理由を今聞いて話せるんか?それとも話したいか?」 話せるわけない――それに、話したない。 そう思って、否定の印――首を一度、横に微かに一往復、振った。 「そうやろな。あんな暗い顔してたやし。自己満足だけの家出ちゃうんやろ?」 これには肯定するため首を縦に振った。 「それで、今は充分。話したくなったら聞くから。ただ、いつか帰れる日の為に一個だけ聞いとく。理由は言わんでいいから………家出に気付く人はいるのか?」 「あっ、ありません。父と母は仕事人間で滅多に家に帰りません。それに帰っても夜中やお昼ですから」 「そか。それなら当分、あきが家に帰ってないこと気づかんな。それに、警察に捜索される心配もない」 警察…考えなしやった。 あの家から…あの場所から離れることしか考えてへんかったから、先のこと何も分かってなかった。 「あっ、すみません。そんなこと全然気付かなくて…」 自分の考えなしに思わず謝り、うつむきかけた。 が、そんな私の頭をぽんっとあきらさんは叩いた。 そうされ、無意識に上を向く私。 きっと、下向くな、顔をあげてろっ、て意味で頭叩いたんやろな。さっきもそんな意味で、俯いて怒られた…正してもらったとこやし。 ほんま敵わなんなぁ。 「気にすんな。それほどせっぱつまってたんやろ?」 「はい。でも…気付かせてくれて、拾ってくれてありがとう」 今度は下を向かずに言えた。 それに加え、謝罪でなくお礼も言えた。 ほんまありがとう――何も聞かないで置いてくれて。 「よしっ、今日はもうこんな時間やし、疲れたろ?寝よか」 「はいっ」 それから。 ベッドに入り、何やかんやと疲れていたのか私はすぐ寝てしまった。 だから、私が眠る横であきらさんが溜め息を何度もついていたことに気付くはずもなかった。
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2006/08/01
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